衰退一直線の日本を生きるすべての若き次世代に送る問答

「パパ、1円ちょうだい!」

 

「イヤ」

 

「パパ、10円ちょうだい!」

 

「イヤ」

 

「パパ、100円ちょうだい!」

 

「イヤ」

 

「パパ、1000円ちょうだい!」

 

「イヤ!」

 

「パパ、10000円ちょうだい!」

 

「イヤ!」

 

「パパ、1億円ちょうだい!」

 

「いいよ!」

 

「マジで!?」

 

「マジで。でも今はあげない。あなたが将来1億円を手中にできるだけの準備はしてる。あなたがやりたいと言った習いごとは全て叶えているし、外国で勉強したいてなるかもしれないからお金の準備もコツコツしている。いつも言っているけど、あなたが生きる時代の日本は貧しくなって、外国人と仕事を奪い合う厳しい世の中になっているはず。そんな時代でも不自由せず生きられるように親としての準備はしている。それを積算すれば1億円はくだらない価値がある。分かる?」

 

「分からん」

 

むすめと夫のやりとりを横目に、妻は夕食の準備をしながら「むすめが『分かった』と言う日が待ち遠しい」と思った。

 

かけがえのない週末。

 

以上、わが家の団らんのひとコマである。