私小説

安室ちゃんサブスク音源消滅騒動もCD派には無縁

安室奈美恵さんのサブスク音源が消滅し騒ぎになっているらしい。 わが家は騒動とは無縁だ。 なぜなら夫を中心に「CD派」だから。 このブログで言及したyellow magic orchestraもdemon albarnのマリ音楽プロジェクトも久石譲もすべてCDで持っている。Carlos K…

目はよく見えないらしいのにやたらと考えがはっきりしている老婆と出会った

ある休日。 普段は家族みんなで買い物に行くのだが、その日は、夫以外の全員が体調不良。 夫が独りで行ったスーパーで、目はよく見えないらしいのに考えはやたらとはっきりとしている老婆に出会った。 出会ったのは肉売り場。 夫のお目当ては、牛豚合いびき…

【昭和の正義】近所の子どもが投げた石が愛車に当たったのに嘘をつかれた話【令和の正義】

数年前の話。 近所に「道路族」を思わせる集団がいた。 少し考えたら、いや、少し考えなくても分かり切った話だが、道路族にはわが子の友達もいる。 その子と遊ぶ場合は、不本意ながらわが家も道路族に片足を突っ込まざるを得ない状況に陥る。 近隣には戸建…

【オトナブルー?】町中華で遭遇した学生グループがイキりなのかコミュ障なのか分からず不気味だった話【オールドボーイズクラブ?】

古くから「男は度胸、女は愛嬌」なんて言い方がされるが、男の「度胸」は時として周囲の迷惑になることがある。 ただ、「度胸」と捉えていたものが、「度胸」ではないとなると、「困惑」以外の何物でもなくなる。 今回は「町中華」で夫が体験した事案だ。

【子どもとプチ哲学】残暑と意思不疎通【私小説】

マイカーの温度計は「32度」になっていた。 習い事を終えたムスメを迎えに行くと、気温が32度になっていたのだ。 送り届けた時は「25度」だった。 「今朝はずいぶん涼しいね」「やっと秋らしくなったね」 だなんて、運転席と後部席で話していたのに。 …

【私小説】シュレーディンガーの宿(後編)【ベルリン旅行記】

tabitabitamani.hatenablog.com 「コネリーは杖をついていたかなあ。僕はインフォメーションでの経緯を説明し、住所の紙も地図も見せるわね。そしたら、部屋に入れてくれてね」 今夜の宿に一歩近づいた夫。 その後の展開は、夫が形容した通り、「信じられな…

【ベルリン旅行記】シュレーディンガーの宿(中編)【私小説】

tabitabitamani.hatenablog.com んん? 夫は何を言っているのだ。 「確かに信じられないような話だけど、20年経っても断言できないってのはどういうことなのさ」。夫の話があまりにも突拍子がないので、思わず長台詞をしゃべってしまった。 夫が述懐すると…

【ベルリン旅行記】シュレーディンガーの宿(前編)【私小説】

「あ~あ、本当ならもっと海外旅行に行ってたはずなのに。やれコロナだ、やれ円安だって」 夫が旅行のことでぼやき始めると、たいてい、話題は二つに絞られる。 昨今の金融・財政政策に対する不満か、あるいは独身時代の海外旅行で経験した珍事か。今日はど…

【私小説】息の長い蚊と夫の長い指

今年の蚊は息が長い。残暑が厳しいからだろうか。 夫は庭から戻ると「かゆい、かゆい」と言う。 「蚊取り線香は焚いているのになあ」が決まり文句のように続き、虫刺されの薬を塗る、までがワンセットだ。 「ねえ、ぬってよ」 紅茶を飲み終え、キッチンで手…