【年末事件簿】レトルトカレーで火事寸前【ボンカレー55周年】

今年もあと6時間余りで終わりですが、2023年って実は、大塚食品が世界初の市販レトルト食品として「ボンカレー」を発売して55周年の節目だったそうです。

 

レトルトカレーは進化を続け、近年は開封も湯せんも必要ない「電子レンジ対応型」が登場し、湯せん型を駆逐しそうな勢いです。

 

子どもでも難なく温められるため、我が家でも重宝しています。

 

しかし、「進化」とは、それが「進化」であると理解できる経験や知識があって初めて、「進化」として存在します。

 

そんなことを実感させられる事件がありました。

 

今回の主人公はむすこです。

 

「今日のお昼は何にしようか」「スパゲティでいいんじゃない?」「それとも袋ラーメンで野菜たっぷりアレンジしようか」

 

メニューを決めかねている両親をよそに、むすこは「ぼくはカレーにする」と言い放ち、キッチンに向かい行動に移しました。

 

食材ストックの入った棚を引き出し、レトルトカレーを引っ張り出し、電子レンジを開け閉めして、ボタンを操作しました。しばらくすると、「ぴぴぴぴぴぴいぃ」。「これから温めが始まりますよ」と案内するかのような電子音が響きました。

 

「むすこくん、あなた、すごいね」「自分でそこまでできるようになったの」

 

わが家の居間はキッチンから隔たった空間。そのためむすこの動きを視覚では直に確認できない状況ではありつつも、両親は聴覚で成長を実感していると、嗅覚が異常を察知しました。

 

「なんか焦げ臭くない?」「うん。通常のレトルトカレーパーティーでは臭うはずがない異臭だよね」

 

「あんた、何でもかんでも『パーティー』にするんじゃあないよ」と青筋を立てた妻がキッチンに急ぐと、電子レンジから見たことがない煙がのぼっているではありませんか。

 

停止ボタンを押し、扉を開けると…。

 

火事寸前!オーマイガッ!

「電子レンジ非対応」に慣れ過ぎたむすこは非対応のレトルトカレーを対応風に温めてしまったようです。パウチ袋は黒く焦げてしまいました。焦げはセラミック製(?)の角皿にも移ってしましました。

 

むすこに事情を聞いてみると、「ぜんぶそのままチンできると思っていた」と大泣きしていました。

 

レトルトカレーには開封や湯せんが不可欠だった時代を知らない令和世代には、昭和・平成が驚いた「電子レンジ対応型」に秘められた技術の進化はリアルでないようです。

 

ちなみに、黒焦げた非対応レトルトカレーですが、中身には影響なかった(と夫婦は信じている)ため、むすこが予定通りおいしくいただきました。