【「失われた30年」の節約階級】業務スーパーで安さに目がくらんだ話【おぼっちゃまくん】

せっかく買い物に行ったのに「買い忘れる」事件はよくあると思う。

 

代表的なのはチューブ入りのショウガやワサビ、トマト缶などだろうか。

 

一方で、せっかく買ったのに「食べ忘れる」事件はなかなかないのではなかろうか。

 

このブログでも何度も書いているように、史上空前の物価高のあおりで買い物には細心の注意を払っているから、だ。

 

しかし、我が家では「食べ忘れる」事件が起こってしまった。

 

 

現場は「業務スーパー」だ。

 

その日も我が家は「安い!」「これも安い!」「あれも安い!」と店内で大騒ぎ。

 

割引きシール。いつ見ても尊い

まず、「吉野家で牛丼を食べたい」と言ったむすこに「吉野家で食べても牛肉が少ないよ。今度で肉を買い、吉野家と同じ味の牛丼を作ってあげる」と妻が豪語していた件で、薄切り肉を2割引きでゲット!

 

次に、子どもたちが大好きな味付け鶏手羽先を2割引きでゲット!

 

続いて、夫と妻が大好きな味付け豚肉をゲット!これは割引シール貼ってなかったぜ!

 

最後に、みんな大好きハマチの刺し身を短冊でゲット!刺し身は短冊で買った方がお得ですよ!刺し身は割引シールより新鮮さ重視だぜ!

 

現場は自宅に移り、しこたま焼いてしこたま食べて家族だらけの大パーティー

 

明日に備えて早めに眠り、大パーティーは大団円を迎えた。

 

翌朝。大パーティーは大団円を迎えていなかったことが発覚した。

 

きっかけは妻の一言だった。

 

「ねえ!刺し身食べてないんだけど!」

 

続いて起きてきた夫も「あー!短冊切ってなかった!」と大声を上げた。

 

「これから切って朝食べようか?」と提案すると、妻は「さすがに生はまずいっしょ!以前、わたしが夜食べ残した刺し身を翌朝食べたら下痢になったでしょ!」と冷静に指摘した。

 

夫が「じゃあ、夕食でソテーとか?」と聞くと、妻は「夜は『ママ牛丼』を作ろうと思ってたのよね。牛丼とハマチソテーは豪華すぎるよ。『おぼっちゃまくん』ちじゃないんだから」。

 

夫は「うん?」と首をひねり、「御坊家を舐めちゃいけないよ!バブル期の上流階級の『その上』を描いた漫画だよ!そりゃあ、現実の『失われた40年』の節約階級と比較するものではないけどさあ。失われる前の日本では、節約階級でも、牛丼とハマチソテーを同時に食べてたんじゃないのかな」。

 

急に辛気臭い会話になりかけたので、夫婦は心機一転、「食べ忘れる」事件が発生した原因について考えた。

 

「安さ」に目がくらんだからだった。お目当ての商品をすべて手に入れたため、何を手に入れたのかということさえも忘れていた。

 

「節約」に最も大切なものは何だろう。

 

それは「冷静さ」だ。

 

ディスカウントストアで安さに目がくらんで不必要なものを買っては本末転倒だ。

 

ディスカウントで安さに目がくらんで必要なものをたくさん買って何を買ったか分からなくなったら本末転倒だ。

 

我が家は「冷静さ」を失い、刺し身を食べ損ねた。

 

夫婦で今回の問題を洗い出し、ハマチソテーは今夜は見送る方針で一致した。短冊を冷凍庫に入れ、「冷静さ」を取り戻した。

 

 

 

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