「ドライブBGM」の話の続編です。
前回は、車内での「チャンネル争い」を未然に防ぐために編み出した「1周ずつ」ルールを紹介しました。
今回は、ルールの中身や始まった経緯についてお知らせしたいと思います。
「1周ずつ」ルールは、アルバムが1周したら、曲を変えるというものです。
子どもが小さい時は夫婦それぞれが曲を選んでいたのですが、子どもが大きくなるとそうもいかなくなりました。
我が家の流れでいうと、
①親が選んだ童謡や英語の歌を聞かせる。
②親が選んだ歌の中から、子ども自身が繰り返し聞きたい曲が出てくる。
③幼稚園に通ったり、テレビを見たりするうちに、子ども自身が聞きたい曲を見つける(鬼滅の刃など)。
④子ども自身にアルバム単位で好きなミュージシャンが出てくる。
ざっと、このような段階を踏んできました。
③まではなんとかなったのですが、④になると暗雲が立ち込めてきました。
なぜか。
好みのアルバム(ミュージシャン)が一致することも、しないこともあるからです。
例えば、星野源は子どもが先に気に入り、親も一緒に聞くうちに好きになりました。
この段階までは何とかなったのですが、子どもが「いきものがかり」にはまったことで状況は一変しました。
もともとは妻が、音楽番組で流れた「ブルーバード」を聞きたいと言い、メンバー選曲の2枚組ベストアルバム「いきものばかり」を購入したのですが、子どもの方が大好きになったのです。
子どもはアルバムを聞き終わっても、「もう1回」と求めます。「2枚とも聞きたい」と主張することもあります。
もちろん、親も「いきものがかり」はよいミュージシャンだと思います。
「ハッピースマイルアゲイン」のイントロは、山下達郎「スパークル」が好きなのがよく分かるし、超ロックンロールな「じょいふる」は奥田民生「マシマロ」を彷彿とさせます。
しかし、アルバム2枚連続とか2周連続とか聞いていると、表現は難しいですが、ずっと合唱コンクールに居合わせている気持ちになってしまうのです。
ある日の車内。堪えきれなくなった夫が宣言しました。
「1周ずつにしよう!」
ルールが確立して1~2年になりますが、おおむね公平に運用しています。
しかし、子どもが必ず「パパはズルい」と指弾する場面があります。
習い事の送り迎えです。
道のりはせいぜい10分や20分なので、習い事教室に到着しても、「1周」は終わっていません。
しかし、夫は習い事の間、他の用事があり、車を走らせることもあります。
すると、BGMを「いきものがかり」ではない何か、に変えちゃうんですね。
習い事が終わり、迎えに行くと、子どもはすぐに気づき、訴えます。
「1周終わっていない。ずるい。『いきものがかり』に戻して」
山下達郎をかけていてもバレてしまいます。
「運転しながらかえたら危ないよ。家まで10分ぐらいだからこのまま聞いてよ」
「え~、ずるい」
ぐうの音もでません。
子どもは知らないうちに成長しているものですね。