【今週のお題「芋」】独逸ジャガイモ論争

今週のお題「芋」

 


「海外かぶれ」を自称する夫が、「こんな『かぶれ』には敵わんな」と思った話。

 

夫の勤め先には「海外といえばア・タ・シ」な同僚がいる。フランスだの、イタリアだの、カタールだの、台湾だの、渡航経験が豊富であるととにかく吹聴している。

 

ある時、突然「ドイツのジャガイモって超おいしいの。最初のひと口で『え?これ本当にジャガイモなの?』てなるのよ。塩ゆでだけでもおいしくて、日本のジャガイモとはぜんっぜん、違うの」と全力で振りかぶってきた。

 

夫にも渡独経験があったため、「え、ジャガイモはジャガイモじゃないですか。レストランも家庭料理系も食べたことありますけど、『あ、ジャガイモだな』と思いましたけどね。もちろん、おいしいですけどね。マッシュポテトをフォークとナイフで主食のように食べるのも面白いですよね。でも、ジャガイモはジャガイモだと思いましたけどね」と何気なく返答したらしい。

 

夫にもちろん悪気はなかったが、ピッチャー返しになってしまったようで、かぶれ同僚は「あんたなんかにドイツのジャガイモの何が分かるのよ!」と激怒してしまった。

 

夫は驚きつつも、「あ、競技を間違えた。ドイツでは野球はポピュラーではなかった。これは反則ギリギリのスライディングタックルだ。小野伸二が食らったやつだ」と気づき、「いやいや、そうじゃなくってえ、」と釈明にもならない釈明を試みたが、覆水盆に返らず。

 

かぶれ同僚は、机をバンっと叩きつけ、部屋を出て行った。

 

夫は帰宅後、ことの顛末を妻に話した。

 

「ジャガイモぐらいでそんな怒るやつおるわけないやろ!」と鼻で笑われたが、本当の話なので、「今週のお題」に採用した。

 

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